女教師グロリア

女教師グロリア [DVD]

女教師グロリア [DVD]

原題は'Detention'。ペネロープ・アン・ミラーが、麻薬ギャングに立ち向かう女教師に扮した学園サスペンスアクションです。製作はRHIエンタテインメントで、監督は「スペースキャンプ」のハリー・ウィナー。

出勤途中、偶然街を牛耳る麻薬組織のボス、レイエスの殺しの現場を目撃した女教師グロリア。だが、このロサンゼルスきっての犯罪地域にある高校に赴任したばかりの彼女は、先輩教師の忠告を聞いて見て見ぬふりをするのだった。しかし警察の追及が迫り、焦ったレイエスは目撃者であるグロリアを襲撃したのだが、逆にこれが彼女の心に火をつけ、証言を決意させてしまう。そしてグロリアによる補修が始まった土曜日の高校に、レイエス率いるギャング団が乗り込んできて…。

要するに、アメリカ映画の定番の一つにして良作の宝庫である、新任熱血教師が問題児たちを立ち直らせるパターンの学園モノ(最近だと「フリーダム・ライターズ」)に、ギャングムービー、更には立て籠もりアクションの要素まで盛り込んだ作品でした。しかし出来上がったのは、案の定“二兎を追う者”のパターンで…。

まずダメなのが、暴力に屈しかけていたヒロインが立ち上がるきっかけというのが、あくまでも自分の身が危険に晒されたからという所。リアルと言えばそうだけど、ここは‘生徒はワシが守る!’って感じにした方が盛り上がるんじゃないの?

そしてクライマックスの立て籠もりの場面。補修ですから集められたのは当然問題児ばかり(つまりは「ブレックファスト・クラブ」パターン)で、コンピュータオタク、不良、ケータイばかりイジってるギャルと、個性的なメンツが揃ってるから、当然彼らの特性が活かされて逆襲! これを機に生徒も自分に自信を持って…という流れになると思いきや…。

最初から最後まで、美味しいネタがぶら下がってるのにそれにまったく食いつこうとしない、あるいは気づいてもいない、行き当たりばったりで話が進む、ある意味RHI作品らしい作りの凡作なのでした。