お姉チャンバラ THE MOVIE

 まず大前提として、これはゾンビ映画じゃないです。ゾンビに襲われる恐怖やゾンビになってしまう哀しみといったモノはほとんど無し。あくまでもヒロインたちに倒される雑魚モンスターでしかなくて、何時もはゾンビが出るだけで評価が甘くなってしまう自分みたいな人間にとっては残念無念。
と言うか、この映画の最大の問題は、ポスターを始めて見た時に“ラクウェル・ウェルチの再来だ!”と誰もが狂喜した(でしょ?)、ビキニ姿にテンガロンハット、ブーツにマントという凄い衣装を見事に着こなした乙黒えり嬢の素晴らしい肢体(特にハミケツ上等のヒップライン)を、本編中まるで活かせてない事! どういう趣旨の映画かは判って出演している筈だから、もっと着エロイメビライクな舐める様な接写とか、逆にバカみたいに華やかな登場をさせるとか、そういう彼女の魅力を引き出す撮り方をしなきゃあ。
他にも、ブラックレザーの女ガンマン、セーラー服美少女剣士、諏訪太朗のマッドサイエンティスト、デブと、B級映画好きの大好物をこれでもかと揃えておきながら、何故か作りが悪い意味でのJホラー臭漂う陰鬱なソレになってるのが失敗の原因だと思います(監督は「ほんとにあった!呪いのビデオ」のヒト)。原作ゲームはプレイした事が無いんでよくは判りませんが、メインキャラ全員に因縁アリ、しかも肉親殺しってどんだけ暗い話なんだよ! 少なくとも黒一点のデブのヒトには、ユーモアで気を抜かすとか、“でもやるんだよ!”的な熱血を見せて盛り上げるとか、もっと上手い使い方があったんじゃないかなぁ。
救いと言えるのは殺陣シーンの迫力とその見せ方くらいかな。でもここもドラマパートと同じ様に撮り方が平板になりがちなんで、諸手を挙げて絶賛! 推薦! とまではいかないです。
せっかくの題材とキャストの良さが、脚本と演出によって殺されてしまった残念な作品だと思います。
お姉チャンバラ Revolution 特典 サントラCD付き

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