アパートメント

アパートメント [DVD]
9/10リリース アルバトロス

※予告編
 原題は'Séance'。「モーテル」のシナリオを手がけたマーク・L・スミスの監督・脚本による青春オカルトホラーです。主演は「デス・バレー」等のThe Asylum作品に出ていたキャンディス・エリクソン
学生寮で夜な夜な少女の霊を見たと騒ぐ女子大生ローレン。元々一般向けのアパートだったこの建物では、四十年前に少女がエレベーターから転落して死亡するという事故が起こっていたのだった。それを知ったローレンたちは、休暇に入ってほとんどの学生が出払ったのをいい事に、暇潰しも兼ねて冗談半分で少女の交霊の儀式を始めてしまう。すると部屋のあちこちでポルターガイスト現象が! 何と彼女たちは別の人間の霊を呼び出してしまったのだ!
オカルト映画の通常のパターンなら、様々な恐怖体験をした後に霊の正体と謂れが判って…という流れになるものですが、本作の場合はかなり早い段階で少女の正体が判ってしまう。これでいいの? と思ったら、この新たに呼び出した霊こそ少女を殺したロリコン野郎で、ヒロインたちはコイツと立ち向かうハメに…というストーリーでした。
結構ちゃんとしたセットで撮影されてるのと、役者たちの見栄えの良さが相俟って全体の雰囲気はメジャー級のそれ。ロリコン幽霊との対決が始まるクライマックスも色々と考えられてあるし、中々に楽しませてくれます。でもねぇ、そこに行き着くまでに時間がかかり過ぎだし、もっさりし過ぎ!
だって呼び出した霊がオッサンの時点で観客は正体に薄々気づいちゃう訳でしょ? まぁヒロインたちが真相に中々気づかないのはありがちなんだけど、やっぱりイライラしてしまいます。それに、だったらその間に仲間たちが幽霊に次々に襲われて…という風にすれば良いのに、これがまた手緩い! お陰で小一時間話が何も進んでない様に見えてしまうんだよなぁ。
それと幽霊を生きてる人間と同じ様にはっきり見せ過ぎてるのもどうかと思う。登場人物たちにも見える設定ならそれも構わないけど、その辺が中途半端というか都合良過ぎというか。一応明るい所では見えないという事にはなってるんですが、逆にそのせいで幽霊が出るシーンのほとんどが非常にマヌケな映像になってしまってるんですよ。
そんな感じで、マーク・L・スミスが少なくとも監督としては凡庸なのがはっきりした作品でした。良い感じに撮れてるシーンも少なくないんですけどねぇ。