ジュラシック・レイク

ジュラシック・レイク [DVD]
9/10リリース ニューセレクト

原題は'Beyond Loch Ness'。ジャケ写だとTレックスが大暴れしそうですが、実際は今も生き延びていた人喰い首長竜の恐怖を描いたカナダ製パニックホラーです。主演は「プテロドン」に引き続き、ブライアン・クラウス。監督が「ソーラー・ストライク」「ファイナルストーム」「ザ・アンドロイド」と、内容はバカ丸出しながらそれなりに楽しませてくれる作品を撮り続けているポール・ジラーなので割りと期待して視聴。

三十年前、ネス湖の探索中にネッシーに襲われ、父を亡くしたジェームズ。今やUMA専門の動物学者になった彼が、UMA基地外の老人ショーンに誘われてスペリオル湖湖畔の田舎町にやって来る。ショーンによれば何とこの湖にもネッシーと同じ首長竜が今も棲息しているという。早速調査を開始するジェームズだったが、ショーンを始めとする町の住民たちが次々に凶暴な首長竜の餌食になっていって…。

要するに「ウォーター・ホース」に便乗したネッシーものでした。しかし、昭和ガメラみたく“子供の味方”だった「ウォーター・ホース」版ネッシーとはうって変わって、本作のネッシーは顔つきも凶悪ならその喰い散らかし方も醜悪そのもの! 人を襲ってはガツガツ喰い千切るから人体破壊のオンパレード! この残虐性が本作最大の売りでしょう*1。見た目も、劇中ではプレシオサウルスだと言い張ってますが、どちらかと言えば「メカゴジラの逆襲」に登場したチタノザウルスの四足バージョンといった感じ。

更にこのネッシーには子供までいる! そしてその食い意地の悪さは親ネッシーと変わらないんだから最高というか最悪というか。コイツらが、ネッシー親子の住処である孤島でキャンプを張っていたバカ者たちを襲撃するシーンは、スラッシャーホラーっぽい演出で中々に楽しませてくれます。

そんな凶悪ネッシー軍団に立ち向かう主人公も、動物学者とは名ばかりの特殊兵器を持ち歩くUMAハンター! クライマックスでは地元の保安官たちを引き連れてネッシー軍団と対決! という按配。でも、いくら人を襲うとは言え、文字通りに貴重なネッシーを殺し捲って良いのか? って気はしますが。

そんな感じでポイント毎に拾っていくと結構イイ出来っぽいんですが、惜しむらくは全体のトーンがカナダ製特有のどんよりネクラで中途半端に真面目な雰囲気で、もう一つノリが悪いんですよねぇ。ベテラン監督の作品らしく間違った演出が無い分、作品全体が壊れてる訳では無いんですけど。女優陣もそこそこレベルが高い割りに、カナダの寒々とした空のせいか、エロいシーン一つも見せてくれない点にも不満が残ります。

ジュラシック・レイク [DVD]

ジュラシック・レイク [DVD]

*1:但しグロいシーンは全てCGなので迫力には欠けますが。