必殺処刑人 - ［SAMPLE］ビデオながら見日記

8/2リリースプライムウェーブ

原題は渋く'Outlaw'。ショーン・ビーン主演の英国製バイオレンスアクションです。共演はボブ・ホスキンス。監督は「フットボール・ファクトリー」のニック・ラブ。同作で主演だったダニー・ダイアーも出演してます。

イラクから帰還したダニーを待っていたのは、戦場よりも荒れ果てたロンドンの現状だった。彼を待っていた筈の妻も別の男を自宅に引きずり込んでいるのを見て、その鬱憤を静かに燃やすしかないダニー。そんな彼の下に、いわれの無い暴力に苛まれた者、現代社会に適応出来ない者たちが集まって来る。そんな彼らを鍛え上げ、社会への“復讐”を始めたダニーだったが…。

予告編を見た時点ではかなり期待出来るかと思ったんですが、正直微妙な内容でした。まず物語の前提となる“処刑人”たちの堕ち方、そこから生まれる絶望感の描き込みが足り無過ぎ! こっちは小池一夫先生や石井隆の作品で、見るのもはばかられる様な凄いのをイヤと言うほど見てンだよッ!! 一応時間だけはたっぷり取ってるんですが、手際も悪いから一人一人が軽くなっちゃってるんだよなぁ。お陰で処刑が始まっても、ちっとも復讐劇のカタルシスを味わえない。

実際、大した絶望じゃない分、まるで腹が括れてなくて仕事も失敗、直ぐに仲違いを始めてしまって一同解散みたいな展開に。

要するに見るものの気分を下げもしない代わりに上げもしない。その割りには暴力描写だけは生々しいから、イヤぁな気分だけが残されてしまう。

ひょっとしたら監督には最初から、そういうカタルシスとかアクションの爽快感を見せるつもりは無かったのかも知れないけれど、だったら何故こういう“処刑人”みたいなプロットにしたのか、少なくとも自分にはさっぱり判りませんでした。期待した分、かなり残念な作品でした。

必殺処刑人 [DVD]