トレマーズ・ライジング

トレマーズ・ライジング [DVD]

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※予告編
 原題は'Resonnances'。勿論ケビン・ベーコンの「トレマーズ」とは縁も縁も無い、この手の映画では珍しいフランス製のモンスターパニックです。監督は「ドーベルマン」等にVFXで参加した人で、これが初監督作みたい。
1663年、フランス。隕石と共に宇宙から謎の怪物が出現! そして現在。仲間たちと遊びに行った帰り道、オタクなヴィンセントのわがままから男だけで帰る破目になったトマとヤン。途中ガス欠になってしまい、何故か無人のガソリンスタンドで給油をしていた所でヒッチハイカーを拾う三人。真夜中になって車が峠に差し掛かった時、道端に奇妙な光が見えた瞬間、巨大な触手の様なモノに襲われ、車は崖を転落! 地面が異様に柔らかかった為に奇跡的に助かったヴィンセントとヤンだったが、運転していたトマが行方不明になって…。
注目の怪物は、普段は地中に潜み、一度音を聴きつけると地面を波打たせ、地上のモノを吹き飛ばしながら突き進んでくる巨大宇宙生物! 数百年間、地獄の谷に棲み付いて、峠を越える車を捕獲しては食べていたという話。そして、その驀進ぶりは確かに「トレマーズ」っぽい。でも舞台となるのがほとんど深夜という事もあって、中々その全体像を拝ませてくれません。
と言うか、序盤からフランス映画らしく会話中心で、中盤戦も怪物相手というより、医療刑務所から脱獄して来た連続殺人犯相手のサバイバルスリラーとしての要素が強い。しかしながら、この辺の描写が意外と面白かったりして。
特に実質的に主人公のオタク青年、ヴィンセントの描写! 部屋に貼ってあるのはギーガーや「2つの頭脳を持つ男」に加えて、アニメ版「ロードス島戦記」のポスター! 遊びに行っても女の子と話すより、ゲームボーイで『トゥームレイダー』をプレイする事を優先! でも極限状態に追い込まれた時、現実逃避してついゲームボーイをプレイしてしまうというのは何か判る気が。そんな彼も、怪物に襲われてからはオタク独特の正義感に目覚めて、口ばかり、愚痴ってばかりの仲間を遥かに越える男気溢れる活躍を見せる! そんな姿に、途中で合流した女子もキュンみたいな。
そんな感じで、モンスターパニックを期待すると微妙だけど、オタク青年の成長と覚醒を描いたサバイバルスリラーとして見たら結構良い感じの作品ではないでしょうか。