ディストラクション 合衆国滅亡

ディストラクション (合衆国滅亡) [DVD]
7/4リリース トランスフォーマー

原題は'Living Hell'。突然覚醒したバイオ兵器の恐怖を描いたパニックスリラーです。主演は「ロードハウス2」のジョナサン・シェックと「クライモリ デッド・エンド」のエリカ・リーセン。監督は、ビデオバブル時代の伝説のレーベルMiMiビデオ、栄光のラインナップの一本「エーゲ海の伝説」(こんな邦題なのに中身はモンスターホラー!!)以来になるリチャード・ジェフリーズ。

閉鎖、解体が決まったランバート基地に侵入者が! フランクと名乗るその男は三十三年前、1950年代にこの基地で働いていた母親から‘あそこには邪悪なものが封印されている、決して開けてはいけない’という言葉を聞かされ、その場所を手のひらに刻まれた事を、作業に当たっていた兵士たちに伝える。いざその場所を調査すると、確かに壁に埋め込まれ、完全に密閉されたタンクが! 危険物の調査に当たっていた特技兵キャリーが開封すると、その中にはホルマリン漬けにされた死体があった。その死体に光を当てた瞬間、死体にあった奇怪な腫瘍が目覚め、触手を伸ばし始めた!

腫瘍の正体は、ソ連からの亡命科学者が冷戦時代に生み出してしまったバイオ兵器! 驚異的なスピードで成長し、基地ごと破壊! 光、炎、全てのエネルギーを力に変えるから攻撃は一切無効! でもお約束で政府は核攻撃を指示! 一体どうなる? って流れ。

予告編を見た時から予感はあったんですが、これ、結構な掘り出し物ですよ!

最近の傑作ホラーというと、往年の傑作にオマージュを捧げてる分、ちょっとコミカルな部分もある作品が多い気がします。勿論それはそれで嫌いじゃないんですが、本作は徹頭徹尾ヒリヒリしたシリアスなテイスト。それが、それこそ1980年代によくあった未公開のB級ホラーっぽくて良い感じです。

製作規模はそれ程大した事は無いんだろうけど、舞台を解体が決まった基地に設定したり、予算も人手も足りてない事の不満を登場人物に漏らさせたりする事で上手く処理している。気が利いてるセリフ、演出は他にも随所に見られて、その一つのセリフが入ってるからその後の展開がスムーズに行くという場面が多々。この辺は、最近の低予算ホラーの作者に一番欠けてる所なんで、見ていて嬉しくなりました。

まぁ流石に話のスケールが大きくなり始めると、CG等の安さが悲しくなってきたりもしますが、そこはエリカ・リーセンちゃんの血塗れヌード(微乳)&触手にがんじがらめにされて悲鳴! というホラー映画ファンにはハァハァもののサービスショットがあるから相殺!

と言う訳で、パッケージみたいなド派手な展開を期待しなければ十二分に楽しめる佳作だと思います。オススメ!