ギャングスター


7/4リリース ファインフィルムズ

原題は'Played'。「デジャヴ」等、最近復活してきた気がしないでもないヴァル・キルマー出演のクライムドラマです。他のキャストも豪華! ガブリエル・バーン! ヴィニー・ジョーンズ! アンソニー・ラパグリア! ブルーノ・カービィ!(遺作!!) パッツィ・ケンジット! そしてジョアンヌ・ウォーリー!!

屋敷の中で血だらけになって倒れている男、レイ。エディという男に助けを求めるのだが、電話に出たのはディロンという見知らぬ男だった。それでも助けに現れたディロンに車に乗せられ、くだらない与太話を聞かされながらレイは薄れゆく意識の中で思い出す。全ての始まりは八年前のロンドンからだった…。

えーっと、まずですね。主人公のレイ役は前述の有名俳優の誰でもなくて、脚本と製作も兼任してるミック・ロッシという無名の男です。そして有名俳優の皆さんはほんの数分ずつ登場するだけ! 要するに友情出演か何か。マシな扱いなのは悪徳刑事役のヴィニー・ジョーンズと、主人公の恋人役のジョアンヌ・ウォーリーくらいのもの。

まぁそういうのはよくある話で、別に面白ければ構わないんですが、これが! とにかく全てのシーンがぶつ切り。先の有名俳優たちと適当な会話があって、お話がちょっと進んでの繰り返し。主人公の説明も無いし、明確なストーリーも無し。それなのに新しい登場人物の名前だけが次々に出てくるわ、舞台は急に変わるわの訳の判らない展開!

調べた所、どうやらちょっとずつ撮影したものを繋ぎ合わせて完成させた映画らしいんですね。しかもほとんどが即興! いや、それでも構わないんだけど、だったらそれなりの撮り方ってモンがあるでしょうに。その一回の撮影の中で何か区切りを付けるとか。これが完全にぶつ切りならオムニバス的に楽しむ事も出来たかも知れませんが、中途半端に繋がってるから気持ち悪い。だったらせめて主人公の服くらいは一致させとけよ!

それに例えそういう撮り方でも、才能があるヤツなら気の利いたセリフがあったり、雰囲気のある一瞬を切り取れたりするものですが、当然そういうのも無し。

またこういう撮り方をしてるんだからアート志向のモノ(その究極がリンチの「インランド・エンパイア」)を目指してるのかと言えばそうでもなくて、一応娯楽映画を作りたかったみたいなんですよね。そんなの無理に決まってるじゃん!

要するに駄作。銃撃も流血もドラッグもヌードまであるのに、ここまでワクワクもハラハラもさせてくれないのはある意味凄いと思うなぁ。

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