笑林ポパイII 狂った寺@MATVムービーアジア

 「カンフーくん」の公開で、台湾を中心に作られてきた「カンフーキッド」を頂点とする児童虐待的越後獅子風味のちびっ子カンフー映画を思い出した方も多いのではないでしょうか。そういう意味では先週の「王様のブランチ」での大流血スタントショーはその系譜に連なる作品に相応しいハプニングと言える。
で、その「カンフーキッド」のチュー・イェンピン監督による本作もその類の映画。原題は‘笑林小子2 新烏龍院’(英題'Shaolin Popeye 2 Messy Temple')。でもこれが「ビビアン・スーの恋しくて…」の続編だと判る日本人は何人くらいいるのでしょうか?
お話は、部下(ディッキー・チョン)に少林寺の大師の右手を奪う様に命令する教主(ミシェル・ヨー)。その頃、烏龍院という山寺で下世話な兄弟子(ン・マンタ)と共にふざけた修行に明け暮れる小坊主二人。
前半はン・マンタおじさんとちびっ子たちのドリフチックな下ネタ満載のユルいコントが展開。例えば、デートする為に墨で髪の毛を書いたり(当然雨が降ってきて台無し)とか、オナラでハエを殺したりとか。特にヒドいのがこれ↓。



こんな事ばっかりやってて中々対決に行かないからイライラしそうにもなるんですが、途中寺にやって来た美女(当然教主のスパイ)を身請けする為にン・マンタがスタントのバイトするという展開になって、無駄に激しいアクションシーンが始まるので大丈夫。この辺は流石だなぁと感心させられました。
そしてクライマックスでも金粉塗れの銅人軍団と戦ったり、派手なワイヤーアクションで魅せてくれるので、心の広いカンフー映画ファンなら十分楽しめる出来。まぁぶっちゃけ珍作ですけどね。
しかし、この好機を受けてもまだ「カンフーキッド」シリーズのDVD化に踏み切らない日本の業界はどうなってるのかね?