キングダム・ソルジャーズ 砂漠の敵

キングダム・ソルジャーズ -砂漠の敵- [DVD]
4/16リリース トランスフォーマー

原題は'The Mark of Cain'。イラクアブグレイブ刑務所での米英両軍兵士によるイラク人捕虜への虐待事件をベースにした、イギリス製社会派戦争ドラマです。

2003年8月、ブッシュ大統領による戦闘終結宣言が出されて三ヶ月。イラク南部で平和維持活動に当たっていたイギリス陸軍の小隊が市街戦に遭遇。十八歳の新兵、マークとシェインは初の実戦にパニック状態に陥ってしまう。数日後、ある村に戦闘に加わったテログループが潜伏しているとの情報が入り、兵士たちは半ば強引にイラク人たちを連行して…。

最初は、どうせ元は普通の人間である兵士が戦場で狂気に駆られて…みたいな、最近のイラク戦争モノにありがちなパターンかと思ってて、実際中盤まではそんなノリで進みます。虐待のシーンもカットしてあってヌルいなぁ、所詮は低予算の映画だなと思ったら…。

ちょうど中盤を過ぎて兵士たちは帰国。ここから話が一気に進み出します。ちょっとした事から虐待の事実が発覚。元々ナイーブだったマークは罪の重さに耐えかねて…。この時点では完全DQNのシェインが悪者扱い。ところが…。この後の展開は、事件の事を知っていてもかなり衝撃的。目を背けたくなる様な虐待の実態まで映像で見せ、更にその後の展開も壮絶!

と言うか、この事件。ハリウッドがガッツリ金をかけて作るべき題材だろうって気がしました。まぁ、まだ事件も、イラク戦争自体にも決着がついてないからしょうがないのかも知れませんが。

個人的にはもう少し娯楽性も欲しかった所ですが、イギリス映画ならではの真摯な作りに好感が持てる佳作でした。

wikipedia:アブグレイブ刑務所における捕虜虐待