ゴースト・プリズン

ゴースト・プリズン [DVD]

ゴースト・プリズン [DVD]

 原題は'Dark Remains'。呪われた山荘に移り住んだ夫婦が体験する恐怖を描いたオカルトホラーです。

自宅で幼い娘を惨殺され、その悲しみから逃れる様に人里離れた山荘に引っ越したアレンとジュリー。しかし、着いて早々、ジュリーはこの家に漂う異様な気配に気がつく。やがて、写真家でもあったジュリーは家や近くの刑務所跡地を何かに憑かれた様に撮影し続けるのだった。ようやく事態に気づいたアレンが調べると、かつてこの山荘に住んでいた者たちが皆自殺していた事が判って…。

全体の雰囲気は、バカ者たちがギャーギャー騒ぐだけの最近のC級ホラー映画とは違って、恐怖がじわじわと広がっていく、Jホラー風味の「シャイニング」といった面持ち。そして、ほとんど無名の監督の作品にしては、結構感じが出ていて中々に怖くてイイ感じ。

ところが、ムードが良い分、余計に幽霊の出し入れや見せ方のマズさが目立ってしまって…。それこそ「シャイニング」の様に、幽霊モノなのか、それとも実はサイコ系スリラーなのか、序盤のうちは見る方に考えさせる様にすれば良いものを、最初から堂々と幽霊を登場させるから拍子抜け。しかも、余りにも堂々と映すモンだからメイクの拙さがバレちゃって、ほとんどゾンビにしか見えないから余計に困った。

脚本も練り込み不足。実の娘の殺人事件、呪われた山荘、朽ちかけた刑務所と、面白くなりそうなネタを次々に登場させときながら、それらを上手く絡ませる事に失敗。この辺、もう少し整理しろよなぁ。特に邦題にもピックアップされてる刑務所なんて、出さなくても本筋には全く問題が無いんだもの。
という感じで、良い部分と悪い部分が混在した不思議な映画でした。ホント、ムードだけは良いだけに勿体無いなぁ。