MISSING LINK 失われた環

MISSING LINK-失われた環-ミッシング・リンク [DVD]
3/7レンタルリリース ゼイリブ

原題も'Missing Link'。オランダ製のキッズアドベンチャーです。1999年製作の作品で、「ティコ・ムーン」のヨハン・レイセン、「キャラクター 孤独な人の肖像」のタマル・ファン・デン・ドップが脇を固めています。

1956年のオランダ。母親、そして叔母と一緒に暮らす少年リックは、授業で学んだ人類の起源について興味が沸き、人類学の書物を読みふける様になる。そして、その中に書かれた未だ発見されていないミッシング・リンクこそが“アダムとイブ”なのではないかと想像し、新聞で読んだベルギーのアフリカ探険隊への参加を決意。しかし読んだ書物を売ってまで旅費を稼ごうとするが、まるで足りない。そんな時、彼の前に不思議な力を持った少女が現れて…。

パッケージはファンタジーアドベンチャー風ですが、実はそれっぽいシーンは主人公の少年が人類学の書物を読んで夢想したシーンのみ。しかし、自分の子供時代にやってた事にやたら似ていてかなりの好印象に。

と言うかこの映画、アドベンチャーものの要素は薄くて(だってオランダからベルギーに行くだけだし)、少年の成長と親子の絆をしっかりと描いた良質な児童映画なのでした。隠されていた未だ見ぬ父親の書物、母の新しい恋人への反発、旅を共にする少女との初恋にも似た関係、そして戦後オランダでの両親の運命の出逢い…。いやぁ後半はホント見応え十分、なのは良いんですが、逆に言うと少年の夢想がのどかに描かれる前半とのギャップがちょっと気になりました。

それと、これはオランダ映画らしいと言うべきか、児童映画にしてはやたらと女性のヌードシーンが登場する! とは言っても、夢想シーンに登場するイブ(白人ではなく有色人種という現代的解釈!!)やアフリカ原住民の女の子、お姉さん、お婆さん(無駄に巨乳orz)くらいかと思ったら、何と回想シーンでママのヌードまで披露されてビックリ。

でもよく考えれば、日本の児童映画だって「ガラスのうさぎ」や「あゝ野麦峠」「はだしのゲン」とヌードは定番、全国の少年の精通を手助けしてきた訳だから当然の必然! なのかな?

とにかく、ヨーロッパの児童映画に興味がある方なら一見の価値がある佳作だと思います。