ナイト・ストーカー

ナイト・ストーカー [DVD]
3/7リリース クリエイティブアクザ
 原題も'Nightstalker'。1984年から1985年にかけてロサンゼルスを恐怖に陥れた自称・悪魔崇拝の連続レイプ殺人犯、“ナイトストーカー”ことリチャード・ラミレスの事件を映画化したサイコサスペンスです。彼を追う女刑事役にはロゼリン・サンチェス。彼女をサポートするベテラン警官役でダニー・トレホも出演! 監督は「ダーティ・コップ」のクリス・フィッシャー。予告編はこちら
偶然“ナイトストーカー”の事件現場を発見した事から、パトロール警官から刑事課に抜擢されたガブリエラ。だが警察の必死の捜査をよそに、恐怖の殺戮は続いていた。そんな中、犯人に襲われながら奇跡に逃げ延びた母娘の証言で似顔絵が完成。しかし、ガブリエラの不注意からそれがマスコミに漏れてしまい…。
まず初めに言っておきますが、実際の事件を大きく改変した作りになってます。まぁそれで面白くなってるのなら構わなかったんですが…。
70代の婆様から年端もいかない少年まで“お前も悪魔を信じろ!”と叫びながら手当たり次第にレイプしたり、手口に一貫性が無さ過ぎて、結果警察の目を欺く事になった程、ドラッグに溺れてイカれていたラミレス。それをストレートに描写するだけでサスペンスとして面白くなりそうなものを、本作ではデスメタルをBGMに激しいコマ落としとエログロ映像の挿入で表現。しかしこれがチカチカと激し過ぎて、見ているこっちの頭がイカれそうになってしまう。しかも、そんな駄映像の嵐がとにかくやたらと頻出。終盤に差し掛かる頃には内臓がムカムカ、お願いします、もう勘弁して下さい状態に。
また犯人がヒスパニックなのが発覚した事で街の人種差別が悪化。そして警察に追われたラミレスが移民街に逃げ込むと、同郷のよしみで助けるどころか、“お前のせいで!!”と住民の怒り爆発。それが逮捕に繋がったという、いかにも映画的に絵になりそうな美味しい史実を、何故か本作ではすっぱりとカット。劇中でやたらとヒロインがヒスパニックである事を強調していたから当然最後はそういう流れになるもんだと考えていただけに、この改変はホントに不思議でした。
そんな感じで改変した所がことごとく裏目に出て、何とも酷い出来に。「ダーティ・コップ」もそうだったけど、この監督は自分に才能があると勘違いしてるんじゃないのかなぁ。早く本当の自分に気づけば良いのに。