プリズン

プリズン [DVD]

プリズン [DVD]

 原題は'Furnace'。刑務所を舞台にしたオカルトホラーです。主演はマイケル・パレ! トム・サイズモア! ダニー・トレホ! 監督・脚本は「悪魔のいけにえ3」に主演し、「バタリアン4」「〃5」の脚本を書いたウィリアム・バトラー。予告編はこちら
拳銃で自殺した刑務所看守の事件を捜査するターナー。上層部は単なる自殺で片付けようとするが、彼の死に疑問を持ったターナーは彼が勤めていたブラックゲート刑務所に赴く。古びたその刑務所でも、ここ最近囚人たちの自殺が相次いでいる事を知ったターナーは、施設の奥深くにあった巨大な焼却炉で黒焦げになった少女の人骨を発見して…。
それなりの役者が揃ってる*1んで、予告編を見た段階ではそこそこには楽しめるかなと思ったんですが、実際見てみると相当にキツい出来でした。監督のキャリアまでちゃんと調べてれば覚悟が出来たのに…。
まず自殺事件が冒頭にあってそれを刑事が捜査するという流れだから、徐々に核心に近づいていくと悪霊が出て来てビックリ! というのが普通のストーリーだと思うんですが、ご丁寧にも捜査が始まる前に挿入された回想シーンであっさり悪霊が登場! 序盤で一番の目玉を見せちゃってどうすんの!?
その後も、こっちは“犯人”が判ってるのにチンタラした捜査が続くから眠くなる眠くなる。そして終わり間際になっていざ悪霊と対決かと思いきや、囚人たちの暴動が勃発! 更にパレ刑事とかつて因縁があったサイズモア看守長の対決が始まって、もうどこで何が起こってるやら訳が判らない事に。そういうプロットが準備してあるなら中盤辺りに前倒しして、逃げ出した囚人たちを悪霊が殺していくという構成にすれば良かったのに。
そんな感じで監督の才能の無さが全面に出た凡作。黒焦げの悪霊を一生懸命演じたヴィクトリア・へスターちゃん(「ウォーク・ザ・ライン」)が不憫でなりませんでした。

*1:女優陣も「シャーク・アタック」のジェニー・マクシェーンと「ザ・リング3」でサマラを演じるらしいケリー・ステイブルズが出演。