ライカン

ライカン [DVD]
1/25レンタルリリース アットエンタテインメント

※予告編
 原題は'Werewolf: The Devil's Hound'。その名の通り、人狼が暴れ回るモンスターホラーです。
アメリカ西海岸の寂れたVFX撮影所にスポンサーから届けられたヨーロッパ発の荷物。何とその中身は生け捕りにされた人狼だった! 深夜、箱から逃げ出した人狼は次々に撮影所のスタッフを襲い、貪り喰ってしまう。そしてその爪で引っ掛かれたケビンは次第に人狼ウイルスに侵されていって…。
これは安かったなぁ。何しろ撮影してるのが本作の製作会社のスタジオなのが丸判り。リモコンで動くモンスターが置いてあったりするんですが、どう見ても中の人が動かしてます…。
更に、この手の駄作を作る監督が陥りがちな失敗ですが、出来の悪さを間に挿入されたコント仕立てのシーンでごまかそうとして余計寒くさせちゃってます。だって普通のシーンもマトモに撮れてないのに、人を笑わす事が出来る訳ないじゃん!
他にも奇をてらった様な演出が随所にあって、その都度ホラーとしての緊張感が寸断されて台無しに。逆にこんな低予算映画でもここまで出来る様になったんだと、今のPCの優秀さに感心してしまいましたが。
で、肝心の人狼=ライカンですが、狼というよりはまるでウルトラ怪獣のウーみたいな白い毛がフサフサしてる不思議なデザイン。これはこれでありだと思うし、その白い毛並みに鮮血が飛び散れば見栄えがするなぁと期待してたのに、これが全く血がつかない! きっとスーツが一体分しか作れなかったんでしょうねぇ。血糊は結構使ってるんだけどなぁ。
と言う訳で、みんな貧乏が悪いんや! な気分にさせてくれる駄作でした。唯一良かったのは撮影所にある様々な装置(前述のリモコンモンスターとか)を使ってライカンに対抗しようとする場面。これを膨らませれてクライマックスに持っていけば良さそうなのに何故かあっさりと中途半端に終了。うーん、ここまでセンスの無い監督だと、例え潤沢な資金があってもロクなモンは作れないだろうなぁ。