スーパーバッド 童貞ウォーズ

原題も'Superbad'。以前予告した通り、今夏全米で大ヒットした青春コメディです。

大学に入ったらどの有料アダルトサイトの会員になるかを真剣に話すくらいにイケてない高校三年生、エバンとセス。恋とセックスに関しては妄想と口ばかりが達者で、完全にオクテな二人だったが、アルコールを調達する事を条件に、セスが憧れる美少女ジュールズ宅で開かれる卒業パーティーに参加出来る事に。これは童貞卒業のチャンス到来と、もう一人のイケてない友人フォーゲルが作った出来損ないの偽IDカードを使って、いざコンビニへ酒を買いに向かったのだが…。

邦題や予告編から、「グローイング・アップ」や「ポーキーズ」みたいな童貞喪失性春コメディかと思ったら(そういう側面は勿論ありますが)、実は大人への通過儀礼となった一夜の喧騒(銃撃! 鮮血! ドラッグ! セックス! 大爆破!!)を描いた「アメリカン・グラフィティ」や「バッド・チューニング」の系列にあたる、イイ感じの青春映画でした。

1970年代を意識した快調なOPに始まって、ギャグに継ぐギャグ、そしてしんみりさせる終盤の展開と、過去の名作に劣らない面白さ。個人的には、傑作TVシリーズ「フリークス学園」*1の弟チームのその後…みたいな見方も出来て、ホント楽しかったです。

難癖をつけるなら、主人公コンビ以上に、“マクラビン”フォーゲル君と彼を連れまわすバカ警官コンビ(本作の脚本を書いたセス・ローゲンビル・ヘイダー)の方が目立っちゃって、全体のバランスが少々壊れ気味なんだよなぁ。まぁ面白いから良いんですけどね。

*1:セス・ローゲン繋がりだし。