プリンセス・アンド・ウォリアー


※予告編
 原題は'Der Krieger und die Kaiserin'。最新作「パフューム ある人殺しの物語」に合わせてリリースされるトム・ティクヴァ監督作です。2000年の製作だから、時期的には「ラン・ローラ・ラン」と「ヘヴン」の間に撮られた作品。主演はお馴染みのフランカ・ポテンテと、「戦場のアリア」のベンノ・フユルマン。
精神病棟に勤める看護師のシシー。ある日、トレーラーに轢かれて瀕死の状態に陥るが、駆け付けたボドという男の応急処置によって九死に一生を得る。それ以来、彼の事が気になり続けるシシーは、僅かな手掛かりから彼の居場所を突き止める。だが、再会した彼の態度はつれない。そしてシシーが偶然訪れた銀行で、再び運命的な出逢いをする二人。何とその銀行にボドが強盗として押し入っていたのだ! ボドの計画が失敗したのを知ったシシーは、思わず彼を助け、病棟に連れ込んでしまって…。
舞台が舞台なので当然かも知れませんが、患者たちだけでなく、主役の二人の精神状態も非常に不安定に描かれているので、見ている方まで居心地が悪くなるというか、奇妙な感覚に陥っていく。終盤の展開もスピリチュアルな感じで、一筋縄ではいかないラブストーリーでした。
でもティクヴァの演出手腕の確かさで、最後までしっかりと見られる作品になってると思います。人によって最終的な好き嫌いは分かれるでしょうが。
それは良いんですが、この邦題は無いんじゃないかと。原題の英語直訳で、見たらその意味も判るんだけど、もう少し何とかならなかったんでしょうか。何時もは毛嫌いする文芸調の胡散臭い邦題の方がなんぼかマシだと思います。パッケージもパッとしないしなぁ。