コベナント 幻魔降臨

原題は'The Covenant'。全米興業成績第一位の日本未公開作をリリースする“欧米か!”レーベル第二弾は、レニー・ハーリン監督によるサイキック青春アクションです。第一弾の傑作コメディ「タラデガ・ナイト」の感想はこちら

十七世紀、英仏で魔女狩りを受け、新大陸に逃れて以来、マサチューセッツでひっそりと暮らしてきた一族がいた。彼らには長男だけが受け継ぐ特殊な超能力があった。そして現代。“悪魔の子”と呼ばれる四人の子孫たちは、地元の寄宿学校の人気者。その中でも最も強大なパワーを持つケイレブは転校生のサラとつき合い始めたのだが、二人が出会った野外パーティーの夜以来、悪夢にうなされる様になる。サラと同じ転校生のチェイスが怪しいと睨むケイレブたちだったのだが…。

地味なキャストを筆頭に低予算な作品の割りには、レニー・ハーリンらしい派手な見せ場の連続! なのは良いんですが…。

これもハーリン作品らしく、お話がショボ過ぎ! ほとんどVシネマレベルの脚本です。まぁこれはハーリンのせいじゃないんだけど。よくこれで全米第一位が取れたモンだと、ある意味感心してしまいました。

突っ込み出せばきりが無いんですが、中でも肝心の超能力の描写が…。まず主人公側の能力者が四人もいるのに、それぞれ全く特徴が無い。結局パワーの強いモン勝ちで、主人公以外はほとんど見せ場無し。そしてクライマックスは超能力は使っているものの、単なるド突き合いに終始。またその超能力も、空中に浮かべるわ、消えられるわ、再生出来るわ、勿論パワー系にも使えるわとオールマイティ過ぎ! 使い過ぎると肉体に影響が…という弱点は示されるものの、それが急に影響する訳でも無いので、実質制限無し! 更に呪いの力もあるので完璧に無敵! と言うか、何でもあり過ぎて逆につまらなくなってしまった。こういうのって弱点や制限があってこそ、物語に活きてくると思うし、それが基本の筈なんだけど…。

地味なキャストの中ではヒロインのサラを演じたローラ・ラムジー(「ヴェノム 毒蛇男の恐怖」)は、シャワーシーンでセミヌードになる等、頑張ってはいましたが、所詮は隣のお姉さんレベルのルックスで…。