ヒューマン・トラフィック

ヒューマン・トラフィック [DVD]
4/6リリース ニューセレクト

原題は'Human Trafficking'。ミラ・ソルヴィーノロバート・カーライルドナルド・サザーランド出演の、売春目的の人身売買をテーマにした作品です。監督は「アサインメント」「EX エックス」のクリスチャン・デュゲイ。予告編は公式で。

ロシア人売春婦の自殺現場を目の当たりにし、ニューヨーク市警からICE(移民関税局)の捜査官に転属したケイト。国際的売春組織のボス、カルポヴィッチを追い詰めるものの決め手に欠く状態の彼女は、遂に決死の覚悟で潜入捜査を試みるのだが…。

これは力作! 最初はほぼ三時間の長尺(米本国では前後編に分けて放送)を心配しましたが、緊張感も切れる事無く一気に見させて貰いました。

様々な手口で組織の手に落ち、知らぬ間に売春婦として働かされる女たちの地獄の様な日々をシリアスに描写。東欧では男たちの甘い囁きに唆され、マニラではアメリカ人観光客の娘が誘拐され、貧しい現地の幼い少女が売られて行く。家族構成まで調べ上げ、逃げる事を許さない組織の非情さ! あくまでもビジネスライクな現代の奴隷商人をカーライルが好演してます。

邪まな見方をすると、売られていく女たちを演じる女優さんたちが皆魅力的! 特にアメリカ人少女役のSarah-Jeanne Labrosseちゃんはヤバい。そりゃ誘拐もされるだろう、アラブの王様に買われるだろう、国際問題にもなるだろうと納得させられる美少女ぶりです。誘拐グループリーダーのヒゲ親父との対比が素晴らしい。

それに比べて主演のソルヴィーノはピークの頃*1に比べると劣化が目立って…。彼女で囮捜査は無理なんじゃ? と思ったら、本編でも‘何だこの年増!’と指摘されて危機に陥っちゃいました。そういう意味ではハマリ役?

彼女よりも、ウクライナで突然消えた娘を追って、組織の一員になってまでアメリカに渡ってくる父親の姿に泣けたなぁ。演じてるのは「みなさん、さようなら」のレミ・ジラールでした。

ヒューマン・トラフィック [DVD]

ヒューマン・トラフィック [DVD]

*1:タランティーノとつき合ってた頃? 別れてから一気に落ち目になったよね。