イノセント・ラブ

イノセント・ラブ [DVD]

イノセント・ラブ [DVD]

原題は'A Home at the End of the World'。コリン・ファレル主演、「めぐりあう時間たち」の原作者マイケル・カニンガムの『この世の果ての家』を作者自身の脚色で映画化したのに、未公開のままリリース!?

色んな事を教えてくれた兄を亡くして以来、次々に肉親を失って心に喪失感を抱いて育った少年ボビー。高校で出会ったジョナサンと親友になり、家族ぐるみの付き合いが始まる。やがてボビーとジョナサンは愛し合う関係に…。そして数年後、一度は離れ離れになったものの、ニューヨークに出て来たボビーが訪ねたのは先に出て来ていたジョナサンの部屋。そこで彼は年上の女性クレアと暮らしていて…。

主人公ボビーは、ゲイではなくてバイセクシャル。と言うか、本人に余り自覚は無くて男も女もほっとけない魅力を持つ男。この辺の描写は少年時代を演じた2人の子役の演技で説得力を増した感じだな。ニューヨークで奇妙な男2人女1人の共同生活が始まりますが、当然上手くいく訳がなくて…という流れです。

男2人はともかく、それを優しく見守る女性2人が良かったなぁ。何しろクレア役がロビン・ライト・ペン、ジョナサンの母親役がシシー・スペイセクですから。特に平凡な主婦なんだけど、息子たちと一緒にマリファナ吸っちゃうお母さんを演じたスペイセクの味のある演技は必見!

爆発的な感動こそ無いものの、しっかりと作ってある作品でした。何で劇場公開しなかったのか不思議。コリン・ファレルのファンの方は勿論、文芸映画が好きな人も見て損の無い作品だと思います。BGMの選曲も中々。ヤズーの『オンリー・ユー』なんか、久々に聴いたよ。

この世の果ての家 (角川文庫)

この世の果ての家 (角川文庫)

※原作本