ココシリ

 これは力作!
町山さんのブログで‘実際、『ココシリ』はアメリカではChinese Westernと謳って公開されたのだ。’というのを先に読んでたから、もっと活劇なのかと想像してたら、ちょっと違った。
チベットのどこまでもどこまでも、永遠に続く様な荒野を舞台に、密猟者を追う私設パトロール隊の姿を描く訳ですが、その隊長が良い。敵のボスを捕まえる為なら、仲間も捨て、せっかく逮捕した密猟者たちも捨て。金が尽きたら‘毛皮を売れ’と本末転倒な事まで言う。そこまでして追ったボスと遂に対面すると…。
皆役者だそうですが、吹き荒ぶ風に晒され捲くった男たちのイイ面構えも最高! 冒頭、パトロール隊に同行する記者と隊長の娘との淡いロマンスの予感もあったけど、そんな無駄(?)な要素は殺ぎ落とした、ストイックなまでの男たちと大自然の世界。素晴らしいなぁ。
本作を見てたら、NHKの『シルクロード』(勿論最初の放送時)を見ながら親父と‘いつかここに行ってみたい’と話し合ったのを思い出しました。まぁあれはモンゴルの大平原だったけど。※「ココシリ」のルー・チューアン監督作。