アイス・ハーヴェスト 氷の収穫

 原題は'The Ice Harvest'。ジョン・キューザック主演のクライムコメディです。
舞台はミゾレの降り続くクリスマスイブのカンザス州、ウィチタ。ギャングの仲間に成り果てた弁護士のチャーリーは、組織の男ヴィックと共に組の金をネコババし、この町からの脱出を計画していた。前から色目をつけていた、ストリップバーの女レナータを誘ったチャーリーだったが…。
見ながらどこかで聞いた話だなと思っていたんですが、途中で原作がスコット・フィリップスの『氷の収穫』だと気付きました(サブタイトルになってるんだから気付けよ自分!)。でも中々原作と結びつかなったのも当然。だって監督がハロルド・ライミスという事もあって、序盤は原作とは全然テイストが違うブラックコメディなんだもの。但し終盤に向かうにつれてどんどん犯罪サスペンスの様相になっていくんですが、その変わり方がちょっと唐突に感じられました。どちらかのテイストに絞ったら公開作になったのでは。個人的にもどん詰まりの男たちがもがき苦しむ話は結構好みなだけに。
キャストはジョン・キューザック以下、大充実。ヴィック役にビリー・ボブ・ソーントン、主人公の旧友で別れた妻の現在の夫にオリバー・プラット、組織のボスにランディ・クエイドという具合。芸達者揃いの男優陣に比べると女優陣はネームバリューだけだとかなり地味かな。日本でもある程度有名なのはファム・ファタール的存在のレナータ役のコニー・ニールセン(「グラディエーター」)くらいですが、ちょっと良い女が揃ってるので今後活躍する人が出て来るかもね。
氷の収穫 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

氷の収穫 (ハヤカワ・ミステリ文庫)